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地域猫4匹と人の子ふたりと家猫1匹に振り回される母の日記。
 
時を越えて
前に、「えのきねこの実家のほうでも、かつて地域猫活動があった」ということを書いたのですが
(記事を探し出してリンクしようと思ったのですが、記事のタイトルが思い出せなくて、検索しても出てきませんでした。いつのだっけ…)

昨日ちょっと実家のほうへ顔を出した際、こんなことがありました。

地域猫活動を中心になってやってらしたおうちのおばあさんが、門前に出ていました。
どうやらお客様がお帰りになったようで、自転車に乗ったその方が角を曲がって見えなくなるまでお見送りしていらっしゃるようでした。

きっととても大切なお客様だったのだろうと思い、邪魔しないように会釈だけして横を通り過ぎようとしたら、

「あ、もしもし。」
はい?
「あのね、あなたがまだ独身だった頃、このあたりにノラ猫ちゃんが沢山いたの覚えてらっしゃる?」
勿論!
「今の方ね、その頃いた一匹を引き取ってくださった方なの。それでね、その子が先週天寿を全うして亡くなったって、報告に来てくださったところだったのよ」

なんと…。
おばあさんは、にこにこしていました。
なんでも、おばあさんのおうちで地域猫として暮らした子達は、既に皆5~6年前に亡くなっており、おばあさんはてっきり
「同じノラ出身だから、あの子もきっともう死んじゃったねえ」
と思っていたら、なんとその倍生きて、幸せな生涯を閉じたと…。

いい話です。

でもおばあさんの顔はちょっと曇りました。

「でもねえ、あの頃は私そんな、家の中で飼うか外のままかで、寿命が二倍も違うなんて、しかも顔付きも、お写真見せてもらったらすごく変わってて、あんなに幸せそうになるなんて知らなかったから、…寒い冬の日ぐらい、ここに残った子達もうちの中に入れてやればよかったと思ってねえ」

でも、私は当時のことを知っていますが、猫たちが入ろうと思えば入れたはずです。
それでもそうしなかったのは、猫たちの意思でしょう。
もちろんお庭や玄関先に、小屋はきちんと作られていました。
おばあさんは、今帰った方と見せっこしていたのだという、当時の猫たちの写真を見せてくれました。
とても良いお顔で写っていました。
撮影したときも、本猫たちは足元にいたそうです。

それならやっぱり、この猫たちは幸せでしたよ。十分、まろいお顔で写ってます。
幸せだったと思いますよ。
「そうですかねえ、それならよかったんだけど」、
とおばあさんは呟いていました。
そして、ではまたとご挨拶して別れました。



今日は急に寒くなりましたけど、昨日はとても暖かかったですね。
日差しに暖められて、もしもかつての猫たちがいたら、道路いっぱいにお昼寝してただろうなあと思う陽気でした。
でも通りにはもう、誰もいませんでした。
ただ陽射しだけが、かつての思い出だけを暖めて、やわらかに降り注いでいました。
by enokineko | 2007-11-17 00:12 |
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